2008 Fiscal Year Annual Research Report
親水性基と疎水性基の組合せによる新規Cdc25A阻害剤リード骨格の探索
Project/Area Number |
20590110
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
嶋澤 るみ子 Tohoku University, 未来医工学治療開発センター, 准教授 (00411083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 正巳 長崎大学大学院, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (40411087)
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Keywords | 脱リン酸化酵素 / Cdc25A |
Research Abstract |
Cdc25A阻害剤の新リード骨格を見つけることを目標に、新規化合物の設計・合成・評価を行った。海綿から単離されたCdc25A阻害剤dysidiolideとその関連化合物の構造活性相関の結果から、Cdc25A阻害剤は親水性基と疎水性基を適切な位置・距離に配置することにより設計できると考えた。 複素環化合物を中心に、親水性骨格としてカルボン酸など、疎水性骨格としてアルキル基などを導入し、種々の化合物を設計・合成した。Cdc25A阻害活性はO-methylfluorescein phosphateを基質として測定し、IC50値を決定した。 イサチン骨格誘導体により高いCdc25A阻害活性を示すものが見いだされたため、イサチン骨格誘導体の親水性骨格および疎水性骨格の構造変換を行った。親水性骨格はカルボン酸誘導体が最も阻害活性が高かった。しかしイサチン骨格とカルボン酸の相対配置により、阻害活性強度に変化がみられた。疎水性骨格はアルキル鎖を導入をした場合が最も阻害活性が高く、その長さにより阻害活性が大きく異なることが明らかとなった。イサチン骨格から炭素数14のアルキル鎖を導入したものが最も阻害活性が高く、それ以上長いアルキル鎖を導入しても阻害活性が変わらないか、低下傾向がみられた。一方、炭素数14よりアルキル鎖が短い場合はアルキル鎖が短くなるほど、阻害活性は低下し、炭素数6のアルキル鎖では阻害活性が認められなくなった。更にアルキル鎖とほぼ同じ長さのエーテル鎖を導入した場合や炭素数が同じ芳香環を導入した場合にも阻害活性が認められなくなった。
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