2010 Fiscal Year Annual Research Report
親水性基と疎水性基の組合せによる新規Cdc25A阻害剤リード骨格の探索
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20590110
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
嶋澤 るみ子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00411083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 正巳 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40411087)
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Keywords | 脱リン酸化酵素 / Cdc25A / 複素環 / 触媒的付加 |
Research Abstract |
Cdc25A阻害剤の新リード骨格を見つけることを目標に、新規化合物の設計・合成を行うため、引き続き新規複素環合成法の開発を行った。 昨年度までに、基質一般性を有するタンデム型複素環構築反応の開発に成功していたが、本年度は、より実用性に優れたものとするために、骨格構築反応の中核をなす触媒的付加反応に水を反応溶媒として適応することを試みた。 種々反応条件を検討した結果、水のみを反応溶媒として用いたときにもC-S二座型配位子-パラジウム錯体がアルデヒドのアリール化を高効率的に触媒することが明らかとなった。本反応は優れた基質一般性を示したばかりでなく、グラムスケールの合成にも容易に対応することが可能であり、実用性に優れた手法の確立に成功した。また、反応効率の濃度依存がほとんどないために、高濃度での実施が可能であり、実践性における有用性の高さも示された。 さらに、含窒素環状化合物構築へと拡張すべく、イミンをオルト位に有するベンゾエートを基質として検討を行ったところ、期待に反して付加反応は全く進行しなかった。そこで、アミドを有する基質への付加の後に、脱水型閉環を試みることとした。閉環の工程において種々ルイス酸を検討したところ、アルミニウム試薬が有効であることが明らかとなり、約50%収率で閉環体を得ることに成功した。 以上より、新規Cdc25A阻害剤の開発に必須である基礎的反応の開発に成功した。今後は多様性に優れた誘導体合成と候補化合物探索に取り組む予定である。
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