2008 Fiscal Year Annual Research Report
活性型カルボニル基をファーマコフォアとする化合物ライブラリー構築に関する研究
Project/Area Number |
20590114
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
河瀬 雅美 Matsuyama University, 薬学部, 教授 (20112641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩本 有理 松山大学, 薬学部, 講師 (30435078)
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Keywords | トリフルオロメチルケトン / ジフルオロクロロメチルケ / Dakin-West反応 / 化合物ライブラリー / N-アシルプロリン / 細胞毒性 / 口腔癌 / ヒドロキシケトン |
Research Abstract |
新規有機合成反応の開発をベースに、官能基特異的な化合物ライブラリーの構築を目指し、活性型カルボニル化合物(トリフルオロメチルケトン、クロロジフルオロメチルケトン)の合成法の確立とそれらの薬理活性物質探索研究を行った。 (1)クロロジフルオロメチルケトン体とトリフルオロメチルケトン体の合成:無水トリフルオロ酢酸あるいは無水クロロジフルオロ酢酸を利用するDakin-West反応を、これまで触媒として検討されていない無機塩基を用い検討した。目的のクロロジフルオロメチルケトン体とトリフルオロメチルケトン体の生成は、ともに低収率であった。しかし、N-アシルプロリンの反応では主生成物としてエノールエステルの生成を見出し、本反応のscope & limitationを明らかにした(佐伯ら、論文発表)。本反応は、メソイオン中間体を経由しユニークなN-acyl転移を起こしていることを明らかにした。 (2)α-トリフルオロメチルアシロインによるヒトロ腔癌細胞に対する細胞障害作用のメカニズムの解明:α-トリフルオロメチルアシロインは、ヒトロ腔癌細胞に対して高い腫瘍選択性を示すが、DNAの断片化やカスパーゼの活性化などのアポトーシスマーカーをほとんど誘導しない。今回、アクリジン陽性の酸性オルガネラの形成などのオートファジーマーカーを誘導することを見出した(井出尾ら、論文発表)。
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