2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590119
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
大橋 一晶 Iwate Medical University, 薬学部, 准教授 (70344679)
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Keywords | 薬学 / 酵母 |
Research Abstract |
真菌のモデル生物である出芽酵母を用いて、汎用消毒剤である逆性石けん(塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン)に対する耐性機構を解析した結果、これまでに本研究代表者は、トランスポーターのひとつSge1を過剰発現させた場合に、酵母が逆性石けんに耐性を示すことを明らかにしている。病原性真菌であるCandida albicansは、ヒトでは、免疫力が低下した際にカンジダ症を引き起こし、そのうち深在性カンジダ症は致死的となる場合もある。そこで、Candida albicansにおけるSge1の機能ホモログを、塩化ベンザルコニウム耐性という観点から同定しようと試みた。Sge1と類似の構造をもつ塩基配列のクローニングを試みたところ、得られた配列は、データベース上の配列と比較すると、かなりの塩基置換が入ったもののみしか得られなかった。複数回の実験(独立に行った複数回のPCRによる増幅)でも、同じ結果しか得られなかったため、用いたCandida albicans株と、データベースの元となった株での塩基配列の違いであると考えられる。今後、得られたDNA配列を出芽酵母発現ベクターに組込み、出芽酵母の逆性石けん耐性に及ぼす影響を調べる予定である。また、出芽酵母では、ゲノム上の全遺伝子5000個について、それぞれの遺伝子をノックアウトした、遺伝子ノックアウト酵母株ライブラリーが利用可能である(致死となる遺伝子は除く)。そこで引き続き、酵母遺伝子欠損株ライブラリーを用いて遺伝子欠損により消毒薬感受性に影響を及ぼす出芽酵母株のスクリーニングを行う。具体的には、培地に塩化ベンザルコニウム、およびグルコン酸クロルヘキシジンを添加した条件で、各遺伝子の欠損株ごとに培養を行い、コントロールである出芽酵母野生株よりも増殖を示すものを耐性株、野生株よりも増殖が遅いものを感受性株として同定する。
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Research Products
(3 results)