2009 Fiscal Year Annual Research Report
銀杏中毒原因物質の食品加工過程における配糖体化メカニズムの解明と毒性評価
Project/Area Number |
20590124
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
和田 啓爾 Health Sciences University of Hokkaido, 薬学部, 教授 (40158689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 昭毅 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (60220737)
小林 大祐 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (30405667)
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Keywords | 自然毒食中毒 / 毒性評価 / 配糖体 / 食品加工 / 銀杏中毒 |
Research Abstract |
1) MPN配糖体の生成機構平成20年度における研究により、生の銀杏ではMPNが多く存在し、熱処理を行った銀杏ではMPN配糖体が多く存在したことから、熱処理によりMPNがMPN配糖体に変化したと考えていた。しかし、平成21年度における研究により測定前処理時に行った乾燥処理により、生の銀杏ではMPN配糖体が減少しMPNが増加するが、熱処理した銀杏では、MPN配糖体量の変化が観察されなかった。つまり、生の銀杏では、MPN配糖体が乾燥処理中にMPNに加水分解されMPNが多く検出されたが、熱処理をした銀杏では、乾燥処理によるMPNの加水分解が起こりにくく、MPN配糖体が主に検出されたと考えられた。 2) ヒトにおけるMPN配糖体の加水分解平成20年度における研究により、ラットの生体内でMPN配糖体は、MPNに変換され、さらに代謝を受けることが明らかとなった。平成21年度における研究では、銀杏中に含まれるMPN配糖体を摂取したと考えられる銀杏中毒患者でも、血清中にMPNならびにMPNの代謝物が検出され、ヒトにおいても、MPN配糖体がMPNに変換され、さらに代謝を受けることが明らかとなった。また、銀杏中毒患者では血清中ピリドキサールリン酸濃度が低値でありビタミンB6欠乏状態であることも明らかとなった。 3) MPNの代謝反応銀杏中毒患者ならびにMPN配糖体を投与したラットにおいて検出されたMPNの水酸化体が、ラット、マウス、モルモットおよびヒトの肝ミクロソームで生成することを明らかにした。この代謝物はどの動物種でも生成する代謝物として今後、代謝に関与する酵素の同定等を行う予定である。
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Research Products
(3 results)