2008 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス誘導テストステロン産生抑制と防御機構に関する11β-HSDの分子多様性
Project/Area Number |
20590125
|
Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
中陳 静男 Hoshi University, 星薬科大学・薬学部, 教授 (90101576)
|
Keywords | ストレス / テストステロン / 精子形成 / 11β-HSD / 分子多様性 / アイソザイム / 精巣 / ライディッヒ細胞 |
Research Abstract |
ブタ(幼若)精巣ライディヒ細胞を実験材料として、血中高グルココルチコイド(活性型GC)により誘発される精巣テストステロン産生抑制の防御に関与すると考えられるllβ-ヒドロキシステロイド脱水素酵素(11β-HSD)アイソザイムの発現を検討する目的で、Leydig細胞の初代培養系を構築し、llβ-HSDアイソザイム(typelおよびtype2)の発現をPT-PCRおよびreal-time PCR法により定量を行い、さらに、それらのアイソザイムのタンパク質レベルでの発現をWestern blotting法により検討した。約10日齢の雄性ブタより去勢にて得られる精巣を使用し、摘出後の精巣から直ちにライディッヒ細胞を分離・精製し、さらにその初代培養系の構築に成功した。初代培養ブタLeydig細胞中でのGCの代謝方向を調べた結果、cortisolからcortisoneへの酸化活性のみが検出され、その逆方向の還元活性はほとんど検出されなかった。RT-PCR、Real-time PCR、Western-blottingの結果から、ブタ精巣およびLeydig細胞にはtype1、type2およびGRがいずれも発現していることが明らかになった。特に、ラットなどと異なりtype2が高発現していた。Real-time PCRによる定量結果、精巣における11β-HSD type1およびtype2アイソザイムの発現量は、それぞれ高発現していると考えられるブタ肝臓および腎臓の発現量と比較し、type1は肝臓の約1/50、type2は腎臓の約1.5倍であった。従って、ブタ精巣Leydig細胞では活性型GC(ヒトと同様にcortisol)が不活性型(cortisone)の方向に変換することから、この反応は活性型GCにより誘発されるテストステロン産生抑制の防御に関与すると考えられる。さらにこの反応には11β-HSD type1のみならずtype2の関与も考えられた。
|