2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590134
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Research Institution | Aichi Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
小林 慎一 愛知県衛生研究所, 生物学部・ウイルス研究室, 室長補佐 (30139737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 照夫 愛知県衛生研究所, 生物学部・ウイルス研究室, 室長 (40402177)
安井 善宏 愛知県衛生研究所, 生物学部・ウイルス研究室, 主任研究員 (40393128)
藤原 範子 愛知県衛生研究所, 生物学部・ウイルス研究室, 技師 (10518757)
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Keywords | ノロウイルス / 中空粒子 / 抗原解析 / 遺伝子型 |
Research Abstract |
ノロウイルス(NoV)はウイルス性食中毒や冬季に多発する散発性胃腸炎の主要な病原体である。しかし、NoVは組織培養法や実験動物で増殖できないウイルスであるので、血清学的診断に必要なウイルス抗原を大量に確保することが困難となっている。そこで、NoVの構造タンパク遺伝子を挿入したバキュロウイルスで遺伝子型の異なるNoVのウイルス様粒子(VLPs)を発現し、発現VLPsを抗原としたNoV抗体測定用ELISAを確立した。次いで、NoV感染疑い患者のペア血清について複数のVLPs抗原に対する抗体価を測定した結果、NoV感染グループの特定は可能であった。今後、VLPs抗原をグループ化することで、簡便かつ汎用的な抗体検出系の改良が期待された。また、2006年冬季のNoVの大流行以降、GII.4型NoVが主要な流行株であったので、2007年と08年のGII.4型流行株(07年3株と08年2株)計5株についてVLPs発現を行い、プロトタイプGII.4のポリクローナル抗体に対する反応性をELISA法で検討したが、抗原性の変異は認められなかった。今後も継続して同一遺伝子型のVLPs抗原を蓄積することによって、NoVの経年変異に関する有用な情報収集が期待された。
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