2008 Fiscal Year Annual Research Report
薬物代謝酵素CYP3Aの性特異的発現機構:ヒトとマウスの比較
Project/Area Number |
20590140
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
佐久間 勉 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 准教授 (30250468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 信雄 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 教授 (10085631)
河崎 優希 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 助教 (30432107)
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Keywords | 薬物代謝酵素 / シトクロムP450 / 性特異性 / CYP3A / マウス |
Research Abstract |
肝臓においてメス特異的に発現するマウスCyp3a41遺伝子のレポーター遺伝子を雌雄のインタクトマウスに尾静脈より導入し、性特異性を規定する領域の同定を試みた。培養初代肝細胞を用いたレポーター遺伝子アッセイでは、5'上流-163塩基までに常在的発現を担う領域の存在が示され、その転写はメス由来の肝細胞のみで観察された事から、上流-163塩基までにメス特異的発現を担う領域が存在すると推測され、-163/+61の領域を含むレポーター遺伝子を導入した。その結果、メスにおいて明確なレポーター遺伝子の活性が観察され、その領域にメス肝臓における発現に関わる領域が存在することがin vivoで確認できた。またその領域には肝特異的転写因子HNF4αの推定結合配列が存在しているが、その領域に塩基置換を導入すると転写が低下した。しかし、その転写はHNF4α推定結合配列を完全に除去しても30%程度残り、他の領域の寄与も示唆された。一方、オスでは転写が起こらない事が想定されたが、メスに匹敵するレベルの転写が観察されたHNF4α結合配列への変異導入による転写活性の低下はメスと同様に観察された。以上の結果は、-163/+61以外の領域に性差を決定する領域が存在する可能性とレポーター遺伝子アッセイでは解析出来ない機構によって性差が決定されるという2つの可能性を示しているが、幾つかの理由より後者の可能性が高いと推測されるため、次年度はこの点について解析を進める。 in vivoレポーターアッセイで転写に対する寄与が確認された推定HNF4α結合配列にHNF4αが結合出来る事をゲルシフトアッセイにより確認した。しかし、肝臓のHNF4α mRNAレベルには性差が認められなかった為、HNF4αの活性あるいはそれに相互作用する因子の活性に性差があるか否か次年度に解析する予定である。
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