2010 Fiscal Year Annual Research Report
タクロリムスの皮膚適用後の皮膚内動態と表皮構造の関係に関する研究
Project/Area Number |
20590152
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
関 俊暢 城西大学, 薬学部・薬学科, 教授 (60196946)
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Keywords | タクロリムス / 経皮吸収 / 皮膚内動態 / マイクロダイアリシス / 皮膚代替物 / 人工皮膚モデル |
Research Abstract |
タクロリムスの皮膚適用後の皮膚内動態と表皮構造の関係に関して、新たに開発した人工皮膚モデルとラット摘出皮膚を用いて研究し、以下の結果を得た。 1、 人工皮膚モデルの構築 (1) モデル薬物として抗炎症薬であるフルルビプロフェンを用い、角質層のモデルであるシリコーン膜、表皮真皮のモデルであるセルロース透析膜、そして薬物濃度測定のためのマイクロダイアリシスプローブを組み合わせた新規人工皮膚モデルに、さらに模擬血管として別のマイクロダイアリシスプローブを挿入する実験系を構築した。この系を用いることで、皮膚内濃度に対する血流速度の影響について検討可能となる(第21回マイクロダイアリシス研究会、昭和女子大学にて発表)。(2)また、新規人工皮膚モデルを用いることで、薬物透過過程におけるタンパク結合を介する薬物間相互作用を評価できることを示した(AATEX, 15,97-105,(2010)。 2、 タクロリムスの皮膚適用後の皮膚内動態と表皮構造の関係 (1) タクロリムスの透過に及ぼすタンパク結合の影響の人工皮膚モデルを用いた評価において、アルブミンの影響は少なく、α_1酸性糖タンパクの影響が大きいが、この現象とラット皮膚透過性との関係について考察した(日本薬学会第131年会、静岡にて発表)。(2)表皮構造と薬物透過性の関係をRenkin式を用いて解析し、薬物の細胞間隙を透る透過速度を分子量から予測する方法を確立した(Biol. Pharm. Bull., 33,1915-1918,2010)。(3)ラット摘出皮膚を用いた実験より、タクロリムスの皮膚透過において、その透過速度が皮膚の損傷の状況に依存すること、損傷皮膚における透過においては、皮膚成分との結合が影響することを明らかとした(日本薬学会第131年会、静岡にて発表)。
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Research Products
(5 results)