2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590153
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
前田 智司 岩手医科大学, 薬学部, 准教授 (60303294)
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Keywords | ミクログリア / DDS / 血液脳関門 / トランスポーター / 接着因子 |
Research Abstract |
本研究はミクログリアの脳への選択的移行特性機構の解明を目的とし、ミクログリアの血液脳関門移行における走化性因子の影響を検討した。ミクログリアの走化性因子の1つとして報告されているATPについて構築したアッセイ系での最適濃度および時間について検討を行った。この条件をもとに、ATP以外のヌクレオチドにういても検討を行い、TTPおよびCTPがミクログリアの走化性に影響を与える可能性が示唆された。また、ミクログリア(Ra2細胞)、および脳毛際血管内皮細胞(MBEC細胞)を用いてDNAマイクロアレイを行い、トランスポーターの発現プロファイリングの検討を行った。その結果、物質の取り込みに関わるトランスポーターの種類としてRa2細胞とMBEC細胞で共通して、ミトコンドリアでATP産生に関与するトランスポーターファミリーの発現量が高かった。さらに、糖ヌクレオチドトランスポーター、アミノ酸トランスポーターおよび亜鉛トランスポーターファミリーの発現量も高かった。排出に関わるトランスポーターについてもRa2細胞とMBEC細胞で共通して、Abcb, Abcc, Abcd, AbcfおよびAbcfファミリーの発現が高かった。また、DNAマイクロアレイの結果をもとにパスウェイ解析を行った。その結果、Ra2細胞にATPを添加した場合は、アクチンフィラメント形成に関わる遺伝子の発現量が増加しており、一方、脳毛際血管内皮細胞であるMBEC細胞では、アクチンフィラメント形成に関わる遺伝子の発現量が減少していた。これらの結果は、ATP添加によりミクログリアの走化性が増加したことと深く関わりがあることが予想された。今後、アクチンフィラメントとミクログリアの走化能がどのように関連しているのか検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)