2009 Fiscal Year Annual Research Report
味センサ及び摩擦感テスターを利用した経口ジェネリック薬の服用性評価システムの構築
Project/Area Number |
20590166
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
内田 享弘 Mukogawa Women's University, 薬学部, 教授 (70203536)
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Keywords | 薬学 / 臨床 / 解析・評価 / 味センサ / 服用感 |
Research Abstract |
クラリスロマイシンドライシロップ(CAMDS)12製剤を対象に、酸性スポーツ飲料に30秒間懸濁した試料の苦味強度を評価した。また、同懸濁試料中のクラリスロマイシン(CAM)濃度をHPLC法で決定し、官能試験結果との相関性について検証した。その結果、ヒト官能試験の実測苦味強度を、ろ過液中のCAM濃度を用いた予測苦味強度で回帰すると、回帰式はY(予測苦味強度)=0.621X(実測苦味強度)+1.118(R^2=0.538,p<0.01)、相関係数はr=0.814となり、良好な相関性が認められた。この事実より、本検討に用いた懸濁液中のCAM濃度から苦味予測を行う簡易的in vitro試験法は、服用時にヒトが感じる苦味評価に有用である評価法であることを確認した。また、本簡易的in vitro試験法により、酸性スポーツ飲料に同条件で懸濁した場合、各種CAMDS製剤間に苦味の違いがあること、CAMDS製剤のほとんどが強い苦味を呈することが評価できた。さらに、CAMDS製剤の水懸濁試料を口に含み口腔内から排出後、1分経過後にムコダイン^[○!R]DS(MDS)水懸濁試料を口腔内に5秒間含んだ場合の苦味強度をヒト官能試験で評価した。ヒト官能試験の実測苦味強度を、ろ液中のCAM濃度を用いた予測苦味強度で回帰すると、回帰式は、Y(予測苦味強度)=0.966X(実測苦味強度)+0.238(R^2=0.899,p<0.01)、相関係数は0.796となり、良好な相関性が認められた。以上より、本検討に用いた簡易的in vitro試験法は、2種の製剤を併用する際に生じる苦味評価に有用であり、2種の製剤が存在する口腔内を反映していることが確認できた。本検討結果より、CAMDSとMDSを続けて服用する場合にはCAMDSの種類が最も苦味に影響し、両製剤の服用順も苦味強度に影響することが明らかとなった。今後はさらに、味センサと摩擦感テスターでの検討も行い、客観的評価法の構築を目指す。
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