2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590169
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石橋 誠 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (30232341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 浩平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80109529)
三浦 岳 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10324617)
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Keywords | 前脳 / LIM / Fgf / Shh / Wnt |
Research Abstract |
間脳原基の細胞においてCreを発現するFgf15::CreトランスジェニックマウスとSmoコンディショナルマウスを交配したところ、視床を含む間脳の低形成が外観から観察された。薄切し一般染色による組織学的解析を行ったところ、様々な形態学的以上がみられた。そこでShhシグナルを受けていると考えられる細胞における種々の遺伝子の発現パターンを時系列的に調べた。また低形成は細胞増殖の低下、細胞死の増加によることも考えられるので、それぞれ増殖マーカー発現およびCaspase3免疫染色などにより調べたところ、これらに変化があった。神経核の各々のidentityはLIM-homeoboxを始めとする種々の転写因子の組み合わせにより決定されていると考えられる。これらの転写因子群の発現を制御すると考えられるシグナル分子Shh, Wnt,FGFを異所性に発現させた場合に、LIM1およびLIM9の発現パターンが影響を受けることが分かった。また、特定の転写因子を異所性に発現させた場合に神経核の形成パターンがどのように変化するか調べるため、LIM1発現ベクターを構築した。また、ノックダウンをするためにsiRNAも作成した。これらをマウス胚の脳やニワトリ胚の脳にエレクトロポレーションによって導入し、その表現型の解析を試みている。我々は既に大脳新皮質特異的にShhシグナルをノックアウトすることによって、大脳皮質が薄くなること、神経幹細胞の細胞周期に異常がみられること、分化した幼若ニューロンの移動パターンや位置に異常がみられるという結果を既に得ている。これに基づいて以下の研究を行った。神経幹細胞周期の異常の原因の探索:細胞周期はサイクリン等の因子によって制御されている。我々は、コンディショナルノックアウトマウスの神経幹細胞において細胞周期が長くなること、cell cycle exitが減少すること、相対的に後期に分化するニューロンが減少することなどを見出した。しかし、Shhシグナル不全がこれら細胞周期異常を惹起する際にサイクリン等の因子がどのように変化しているのか未解明である。
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Research Products
(8 results)