2010 Fiscal Year Annual Research Report
非上皮系細胞におけるprimary ciliaの細胞生物学的意義の解明
Project/Area Number |
20590182
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
萩原 治夫 群馬大学, 医学部, 教授 (80189464)
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Keywords | 線毛 / 線維芽細胞 / 中心体 / 基底小体 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
Primary ciliaは様々な細胞種において細胞周期の静止期に形成され、細胞が機能的に分化した状態での細胞機能の発現維持に密接に関係していることが示唆されている。KD細胞、3Y1-B細胞などの線維芽細胞や培養筋細胞などの非上皮系細胞におけるprimary ciliaの発現を調査し、発現の見られた非上皮系培養細胞を用いて、primary ciliaの発現動態と機能的意義について、形態学的、免疫組織化学的、分子細胞生物学的に解析を行った。静止期のKD細胞では、約80%にprimary ciliaが出現し、継代後の細胞増殖時における出現頻度は約20%であった。電顕的観察では、ciliaは細胞質の小胞内に伸長し、低栄養状態で長期間培養したKD細胞でもprimary ciliaは発現し、基底小体に局在する分子の発現にも変化はなかった。中心体領域に局在するRAB8A、PCNT、TUBG1、FTCDについてRNAi法によりこれらの分子の発現を抑制し、これらの分子のprimary cilia形成における意義について解析した。RAB8Aの発現抑制により、primary ciliaには、ciliaの無形成とciliaの過伸長がみられた。RAB8Aは線毛の構成分子の輸送に加えて線毛の伸長を制御する分子の輸送にも関わっていることが考えられた。線毛や中心体の微小管はアセチル化により安定である。微小管のアセチル化に関与している分子を3Y1-B細胞に導入し、発現局在と動態を明らかにするとともに、細胞内の微小管のアセチル化の意義について解析を進めている。
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