2009 Fiscal Year Annual Research Report
オメガ脂肪酸を介した炎症収束作用分子としてのB-FABP
Project/Area Number |
20590191
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
徳田 信子 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 講師 (70227578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 祐二 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20292211)
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Keywords | FABP / 脂肪酸 / クッパー細胞 / 肝臓 / サイトカント |
Research Abstract |
1. B-FABPは肝臓のクッパー細胞に特異的に局在する 野生型マウスに放射線を照射し、GFPトランスジェニックマウスの骨髄細胞を移植した。移植4週間後、移植されたマウスでは、B-FABPが局在するGFP^+細胞が類洞に多数見られ、residentのクッパー細胞にB-FABPが局在するだけではなく、骨髄由来の細胞が肝臓内でB-FABP陽性になると考えられた。 2. B-FABPは肝臓の傷害時にもクッパー細胞に局在する 四塩化炭素CCl4を腹腔注射し、肝傷害モデルを作成した。CCl4投与後、1・3・6・12・24時間、2・3・4日後の肝臓のB-EABPの局在を免疫染色で確認したところ、全てのphaseについて類洞の細胞にその局在が見られ、炎症の進行に伴って炎症部位に集積し、その細胞はクッパー細胞のマーカーであるF4/80陽性であった。 3. B-FABP KOマウスでは、肝逸脱酵素が一時的に野生型より高値を示す CCl4を投与した野生型WTおよびB-FABP KOマウスにおいて、投与1日後にはAST、ALT、LDHいずれもKOマウスが野生型よりも高値を示す傾向が見られた 4. B-FABP KOマウスでは肝傷害部位へのクッパー細胞の集積が少ない F4/80の免疫染色により、CCl4投与後のクッパー細胞の分布変化を検討したところ、WTよりKOマウスの肝臓の方が炎症に伴うクッパー細胞の集積が少ない傾向が認められた。 以上により、B-FABPが肝臓のクッパー細胞に特異的に局在し、炎症に関与することが示された。また、B-FABP KOマウスでは、野生型に比較して一過性に高度な肝傷害が見られ、傷害部位へのクッパー細胞の集積が減少していた。以上より、B-FABPがω3脂肪酸を介してマクロファージの遊走・貪食・サイトカイン産生に関与していると考えられた。
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Research Products
(13 results)