2010 Fiscal Year Annual Research Report
オメガ脂肪酸を介した炎症収束作用分子としてのB‐FABP
Project/Area Number |
20590191
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
徳田 信子 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70227578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 祐二 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20292211)
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Keywords | FABP / 脂肪酸 / 肝臓 / リンパ節 / マクロファージ / 線維芽細胞 / リンパ球 |
Research Abstract |
FABPは水に不溶な脂肪酸を可溶化する細胞内キャリアーであり、リガンドである長鎖脂肪酸の細胞内動態を制御することによって、病態に関与すると考えられている。今回は、macrophage系の細胞および末梢免疫臓器での免疫反応における脂肪酸の関与を検討するため、オメガ3脂肪酸に親和性が高いB-FABPの局在と機能について下記の検討を行った。 1.B-FABPの発現がmacrophage系の細胞の貪食能に影響を与えるか? (1)WTマウスおよびB-FABPKOマウスの肝臓クッパー細胞に、apoptosisに陥った胸腺細胞を貪食させた。 KOマウスでは有意に貪食能が低下していた。 (2)macrophage系列のJ774細胞に、B-FABPを強制発現させ、apoptosisに陥った胸腺細胞を貪食させた。 強制発現株では、貪食能が増加する傾向が見られた。 以上の結果により、B-FABPの発現が、macrophage系の細胞の貪食能を制御していると考えられた。 2.末梢免疫臓器にB-FABPは局在しているか? (1)リンパ節のT細胞領域のαSMA陽性細胞にB-FABPが局在し、その細胞はER-TR7陽性のframeworkに沿っていた。 免疫電顕ではFABP7陽性細胞がcollagen fiberをencloseしている像が見られた。 B-FABP陽性細胞はリンパ節のconduit systemを形成している線維芽細胞(fibroblastic reticular cell)であると考えられた。 (2)野生型とB-FABP knock outマウスのリンパ節内リンパ球の表面抗原を解析した。 B-FABP knock outマウスにおいてCD4陽性T細胞の割合が有意に増加していた。 以上の結果により、B-FABPは末梢リンパ臓器のfibroblastic reticular cellに局在し、免疫反応を制御していると考えられた。
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Research Products
(19 results)