2008 Fiscal Year Annual Research Report
海馬における神経ステロイド合成および作用機構の細胞化学的・分子生物学的解析
Project/Area Number |
20590192
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石村 和敬 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90112185)
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Keywords | 海馬 / 神経ステロイド / ニューロン新生 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
本研究の木的は海馬における神経ステロイドの合成とその作用機序を追求し、神経組織そのものが産生するステロイドの生理的意義を明らかにすることである。具体的には、ラット及びマウスの海馬において、ステロイドの合成と代謝に関わる酵素の局在とその発現調節機構、生合成される各ステロイドホルモンの受容体の局在、発現機構を、形態学的諸方法を基礎として、生化学的、分子生物学的に明らかにすることを第一義的な目標としている。 本年度はコレステロール側鎖切断酵素(SCC)、3β-水酸基脱水素酵素(3β-HSD)、17α-水酸化酵素/C17-C20リアーゼ(P450c17)、17β-水酸基脱水素酵素(17β-HSD)、アロマターゼ、5α-リダクターゼなどの酵素と性ステロイドの受容体の局在を免疫組織化学的に検索した。その結果、5α-リダクターゼが主としてグリア細胞に局在し、性ステロイドの受容体が一部の神経細胞に存在することが判明した。また、5α-リダクターゼについてはTLC法によって酵素の活性も存在することがわかった。この酵素は生後3週くらいからグリアへの局在が明確化する。性差ははっきりしなかった。5α-リダクターゼ以外の、特にSCC、3β-HSD、17β-HSDなどの酵素は主として神経細胞に存在する可能性が示唆されたが、現在保有している抗体では力価が低く、明確な結果は得られなかった。次年度はより力価の高い抗体を得ることと、in situハイブリダイゼーションによる検索が不可欠となった。結果に不確定な部分が多く、さらに検索を続ける必要がある。
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