2008 Fiscal Year Annual Research Report
クローディンの組成とその変異体によるタイト結合の細胞間透過性制御の研究
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20590193
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲井 哲一朗 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 准教授 (00264044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 英司 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (40380620)
柴田 洋三郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90037482)
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Keywords | tight junction / claudin / extracellular loop / paracellular permeability / confocal microscopy / freeze fracture / green fluorescent protein / transepithelial electrical resistance |
Research Abstract |
各組織の上皮・内皮細胞には複数のclaudin(タイト結合膜蛋白)が発現しており、それらのclaudinの組み合わせと比率により、その組織のタイト結合(TJ)の構造と機能が決定されると考えられている。我々が確立したマウス大腸癌由来のCMT93-Iおよび-II細胞は、claudin-4,-6,-7,-12を発現していた。CMT93-II細胞はさらにclaudin-2を発現し、細胞間電気抵抗値(TER)はCMT93-1細胞の約7分の1であった。CMT93-II細胞におけるclaudin-2の発現は、ERK, phosphatidylinositol-3kinase, protein kinase Cのシグナル伝達経路阻害剤で抑制され、TERは上昇した。したがって、細胞間透過性は、claudin-2の発現で亢進すると考えられた。claudin fmilyには細胞外第一ループ(ECL1)にW-GLW-C-C motifという保存されたアミノ酸配列があり、マウスのclaudin-1では保存されたCysは、54番目と64番目にある。この54番目と64番目のCysの一方または両方をAlaに置換したものをC54A,C64A,C54&64Aとする。これらの変異体のN末端にEGFPを付与して発現ベクターを構築し、タイト結合を形成しないHEK293細胞で、これらを安定に発現する細胞株を確立した。EGFP-C54A, EGFP-C64A, EGFP-C54&64Aを発現するHEK293細胞をレーザー顕微鏡で観察すると、これらは細胞膜に局在し、タイト結合裏打ち蛋白ZO-1と共存した。しかし、freeze fracture法による観察では、現在までにタイト結合ストランドは認められていない。このことから、claudin-1のECL1にある2つのCysのうち少なくとも1つをAlaに置換すると、claudin-1のタイト結合ストランド形戌能が阻害されことがわかった。
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Research Products
(8 results)