2010 Fiscal Year Annual Research Report
生組織標本における環状アデノシン一リン酸のイメージング技法の開発と応用
Project/Area Number |
20590195
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 洋一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40118253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋野 朝幸 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (40305991)
阿久津 仁美 岩手医科大学, 医学部, 助教 (30398482)
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 生理活性 / cAMP / イメージング |
Research Abstract |
研究目的 これまで適当なプローベが無かったためlive cell imagingが充分になされてこなかったcAMPに着目して,工藤佳久氏(東京薬科大学名誉教授)が新規開発したcAMP感受性蛍光プローベの評価を細胞レベルでおこなう。 研究成果 昨年度に引続き蛍光特性に合致したフィルターで、実験を行った。マスト細胞(肥満細胞)では果粒放出とともに明瞭な変化を認めたものの、培養細胞(COS7、 Hela)、唾液腺房細胞、神経細胞、血管平滑筋細胞でははっきりとした変化をみとめなかった。 今回の実験では、AKMLysとAKMOrnの2種類のプローブを用いたが、細胞負荷後に充分な蛍光量を発するAKMLysを用いて実験したが、1)ヒスタミン刺激によるcAMPの上昇が確認されているポジティブコントロールの細胞では変化が認められないこと、2)マスト細胞の顆粒基質は多種の色素と結合して蛍光を発することがある、および3)マスト細胞で蛍光特性が変化した箇所を高精細で観察すると顆粒状に見えること、などから、マスト細胞で得られた所見は、cAMPの上昇を引き起こしたものと断定するのは早計のように思われる。 なお、本研究計画で旧型の高速共焦点レーザー顕微鏡(NikonRCM)の改良ができたため、通常のカルシウムイメージングに関しては成果が上がりつつある。
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