2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590198
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
秋元 義弘 杏林大学, 医学部, 准教授 (60184115)
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Keywords | 糖尿病 / 糖修飾 / O-GlcNAc / プロテオミクス / 基底膜 / 細胞骨格 / GK ラット / Wistar ラット |
Research Abstract |
本研究では糖尿病性角膜症における基底膜の分子構築の変化を免疫組織化学に解明し、グライコプロテオミクスにより糖鎖修飾の変化する角膜のタンパク質を調べることにより、形態変化の成因を解明することを目的とする。糖尿病ではヘキソサミン代謝の亢進により、その代謝経路の最終産物であるUDP-GlcNAcが増加し、これを基質として、タンパク質への0-グリコシド結合型年アセチルグルコサミン(0-GlcNAc)の糖修飾が増加することが知られている。そこで本年度は、糖尿病による角膜の形態変化に伴って糖修飾が変化を示す蛋白質を調べるため、糖尿病モデル動物(GKラット)と正常(対照、Wistarラット)の角膜を用い、糖(0-GlcNAc)に対するモノクローナル抗体により免疫沈降して単離した蛋白質を2次元電気泳動後、タンパク質の量的変動をPDQuest(ver 8.0)を用いて解析し、その中のいくつかのspotについてMLDI-TOF質量分析を用いたプロテオーム解析を行った。その結果、総タンパク質の約1~2%のタンパク質に0-GlcNAc修飾が起こっていること、また糖尿病では、多数のタンパク質の0-GlcNAc修飾レベルが上昇することが認められた。さらに、基底膜を裏打ちしているアクチンやビンキュリンなど細胞骨格系タンパク質に0-GlcNAc修飾の増加が観察された。以上のことから、基底膜の形態変化は基底膜を裏打ちしているタンパク質の糖修飾の異常が一因になっていることが推測された。
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Research Products
(18 results)