2009 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞におけるインスリン分泌シグナル及び分泌に及ぼす温度及び形態因子の影響
Project/Area Number |
20590208
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
最上 秀夫 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 准教授 (90311604)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (50014246)
櫻井 孝司 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教 (50283362)
|
Keywords | calcium ion / insulin secretion / TRPM2 channel / signal / transduction |
Research Abstract |
膵β細胞に存在するTRPM2チャネルは温度依存性を持ち37℃にて最大開口確立となる。Ca2+透過性陽イオンチャネルである。本研究の目的は、生体環境に近い37℃、5%CO2の培養環境下でインスリン産生細胞(INS-1)株を用いて膵β細胞におけるTRPM2チャネルの生理的意義を細胞内シグナル変化とインスリン分泌パターンを直接相関させて検討することにある。当該年度は、インスリン細胞において複数のシグナルを同時に測定する実験系を確立し、TRPM2チャネルの活性調節ホルモンであるGLP-1がcAMPだけでなく多機能酵素プロテインキナーゼCも活性化することを直接証明した。また、TRPM2をノックダウンすると生体環境ではカルシウムシグナルの減少と共に規則性が乱れることが確かめられた。さらに、TRPM2チャネル阻害物質である2-APBを投与すると電位依存性Caチャネルも阻害されることが判明し、両チャネルの密接な機能相関が見いだされた。インスリンの分泌を観察するためインスリン顆粒に発現する組織プラスミノーゲンアクチベータ-GFPを遺伝子導入し、安定細胞発現株を作製してインスリン分泌能をカルシウムシグナルと同時に観察可能な実験系を構築し、現在解析中である。本年は、コネキシン36発現細胞とノックダウン細胞を作製し、これら細胞におけるインスリン分泌及びカルシウムシグナルを同時測定し、細胞間情報伝達の同期性を比較検討する予定である。
|
Research Products
(5 results)