2010 Fiscal Year Annual Research Report
シナプトタグミン1のSNAP-25への結合の神経伝達物質放出における生理的意義
Project/Area Number |
20590209
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西木 禎一 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70423340)
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Keywords | 神経科学 / シナプス伝達 / シナプス小胞 / カルシウムイオン / 開口放出 |
Research Abstract |
神経伝達物質放出の分子機構を解明するために、Ca^<2+>センサーシナプトタグミン1と膜融合装置SNARB(SNAP-25/シンタキシン/シナプトブレビン)との結合の性状を生化学的に解析しその役割を明らかにすることが本研究の目的である。 SNAREを介した膜融合のシナプトタグミンによる抑制に及ぼす変か異t-SNAREの影響 t-SNARE(SNAP-25/シンタキシン)を再構成した人工脂質小胞と、シナプトブレビンを再構成した脂質小胞を反応させたところ、シナプトタグミン結合能が減少した変異t-SNARE小胞ではシナプトタグミンによるCa^<2+>非依存性の膜融合抑制が約半減した。この結果から、シンタキシンを介したSNAREへのCa^<2+>非依存性結合がシナプトタグミンによる膜融合の抑制に関与していることが示唆された。 シナプトタグミンのSNARE複合体からのCa^<2+>依存性解離 シナプトタグミンとSNARE複合体の結合に対するCa^<2+>の影響について調べるために、ラット脳可溶化物にCa^<2+>を加え反応させたところ、SNARE複合体に結合しているシナプトタグミンは約50%減少した。 以上の結果から、静止状態の神経終末においてシナプトタグミンがt-SNAREに結合しSNARによる膜融合をプライミング過程において一時停止させており、神経細胞の興奮に伴い終末内に流入してきたCa^<2+>がシナプトタグミンに結合するとSNARE複合体から解離し、膜融合が引き起こされると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] SNARE protein recycling by αSNAP and βSNAP supports synaptic vesicle priming.2010
Author(s)
Burgalossi A, Jung S, Meyer G, Jockusch WJ, Jahn O, Taschenberger H, O'Connor VM, Nishiki T, Takahashi M, Brose N, Rhee JS.
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Journal Title
Neuron
Volume: 68
Pages: 473-487
Peer Reviewed
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