2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590212
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐藤 元彦 Yokohama City University, 医学部, 准教授 (40292122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 敏 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (60233475)
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Keywords | 細胞内情報伝達 / G蛋白質 / 心肥大 |
Research Abstract |
申請者は、心肥大モデルより3種類の新規G蛋白活性制御因子の同定に成功したが、興味深いことに、これらはすべてTEEファミリーに属する転写因子であった。 同定した新規G蛋白活性制御因子がG蛋白サブユニットと複合体を形成するか、G蛋白活性調節因子をGST融合蛋白として大腸菌で作製し、G蛋白との相互作用をin vitroのpull down assayにより検討した。G蛋白活性調節因子・G蛋白の相互作用はGα16サブユニットに確認されたが、Gαi、 Gαs、あるいはGαqサブユニットには認められなかった。また、新規G蛋白性制御因子とGα16サブユニットの相互作用は、Gαの活性化状態に依存し、非活性型変異Gα16あるいは持続活性型変異Gα16はさきのG蛋白活性制御因子と相互作用を示さなかった。 COS7細胞に新規G蛋白活性制御因子とGα16サブユニットを発現させ、G蛋白活性調節因子・G蛋白複合体が細胞内で形成されるか免疫沈降法により検討した。In vitroでの検討と同様に同定したG蛋白活性制御因子はGα16サブユニット選択的に複合を形成することが確認された。さらに、G蛋白活性調節因子・G蛋白複合体の細胞内局在を蛍光免疫染色法により検討した.Gα16サブユニットは単独で発現させると細胞質を中心に分布した。ところが、Gα16サブユニットを同定したG蛋白活性調節因子と共発現させると、両蛋白とも細胞核に集積することが明らかとなった。一方、持続活性変異型のGα16サブユニットは細胞核以外の細胞質に分布することから、Gα16サブユニットの核内集積にはGαサブユニットの活性化のみならず、蛋白複合体を形成するG蛋白活性制御因子が強く関与しているものと考えられた。 今後は、細胞核内に移行したG蛋白活性調節因子・G蛋白複合体が遺伝子の転写活性調節に関与するか検討を進める予定である。
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