2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590212
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐藤 元彦 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40292122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 敏 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (60233475)
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Keywords | 細胞内情報伝達 / G蛋白質 / 心肥大 |
Research Abstract |
申請者は、心肥大モデルより3種類の新規G蛋白活性制御因子の同定に成功したが、それらはすべてMITF/TEE転写因子であった。これまでの検討で1)同定したG蛋白活性制御因子はGαサブユニットの中でGα16に選択的な作用がある、2)TFE3はGα16と細胞内で複合体を形成する、3)Gα16とTFE3を発現させると共に細胞核内へ移行することが明らかになった。本年度は、4)哺乳類細胞でのG蛋白情報伝達系への関与を検討したが、TFE3は細胞膜受容体を介する情報伝達には影響を与えないことが明らかになった。次に転写因子であるG蛋白活性調節因子とG蛋白の相互作用がその転写活性に与える影響を検討し、5)細胞核内へ移行したGα16-TCFE3は接合部蛋白であるclaudin14の発現を著しく増加させる、6)また興味深いことにclaudin14の誘導にはGα16の核内での活性化が必要であることを明らかにした。さらに心肥大モデルにおける各コンポーネントの発現変化を検討したところ、7)Gα16およびTCFE3は肥大心で発現が上昇しており、claudin14も約5倍発現が上昇していた。8)心筋細胞のGα16およびTCFE3をsiRNAにより抑制するとclaudin14の発現も低下した。このことは三量体G蛋白・G蛋白活性制御因子によるまだ解明されていない遺伝子調節機構が存在することを示唆していた(Sato M., et al.J.Biol.Chem 2011 in press)。
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