2010 Fiscal Year Annual Research Report
膜電位依存性プロトンチャネルの温度感受性リクルートメント機構の解明
Project/Area Number |
20590213
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
久野 みゆき 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (00145773)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 啓 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (90382192)
|
Keywords | プロトンチャネル / 温度感受性 / リクルートメント / マイクログリア / シグナル伝達 / 生理学 |
Research Abstract |
これまでの研究により電位依存性プロトンチャネル(H^+チャネル)は活発なリクルートメントを行っていることが推測されたので、そのメカニズムを解明する目的で研究を進めた。(1)ラフト動態に伴うリクルートメント。マイクログリアの細胞膜コレステロール量はmethyl β-cycro dextran (MβCD)添加後(1hr,室温)約1/4と減少し、水溶性コレステロール添加後約4倍に増加した。コレステロール添加によってH^+チャネルの定常電流値は徐々に減少したが、MβCDでは増加と減少の両方の変化が見られ、ラフトとチャネル活性の関係は一元的ではなかった。(2)サイトーシスに伴うリクルートメント。破骨細胞では細胞外Ca刺激によって細胞膜V-ATPaseのエンドサイトーシスによる内包化が起こるが、H^+チャネルには顕著な変化が見られなかった。一方貪食機能の指標となるzymosan bioparticleの貪食を盛んに行った細胞ではH^+チャネル活性が少ない傾向があり貪食と共に細胞内への取り込みが起こったのではないかと推測している。(3)実測されるH^+チャネル電流の振幅はH^+透過過程とチャネル数の相乗結果である。溶液交換に数秒以上要するBath潅流法では二つのパラメータの効果を区別できず、電流変化からリクルートメントによる変化を抽出できない。両者を区別するのに有用な急速溶液交換システムとしてU-tube法を構築し、平均50-100ms以内に細胞周囲の溶液交換ができるようになった。この手法を導入し、ラフト、サイトーシスとの関係を今後明らかにしていく予定である。結果の一部は生理研研究会(2010)、米国骨代謝学会(2011)、日本生理学会(2011年)で発表した。
|