2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590215
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
坂田 進 畿央大学, 健康科学部, 教授 (20142383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 昭 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (70116284)
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00033358)
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Keywords | 遺伝子治療 / SERCA2a / 不全心 / 再生医学 / 運動生理学 / ラット / 運動パフォーマンス |
Research Abstract |
平成23年度は、大動脈弓狭窄誘発性心不全モデルラットおよびシャム手術ラットにおいて、前年度に引き続き、術後6ヶ月、9ヶ月、1年、1.5年で血圧(最大血圧、最小血圧)、心拍数、自発的運動量を測定した。両手術ラットの血圧と心拍数を非観血血圧測定装置にて測定した。また、自発的運動量を測定するため、ラットを回転式運動量測定ケージに水と餌を自由摂取で10日間飼育し回転数:(走行距離)を測定した。術後6ヶ月~1.5年において、心不全モデルラットとシャム手術ラットの心拍数はほぼ同じ値であり有意な差が認められなかったが、術後6ヶ月以降において、心不全モデルラットの最大血圧と最小血圧は経時的に徐々に減少し、シャム手術ラットの値より有意に低下した。しかしながら、両手術ラットの10日間の自発的運動量は加齢とともに徐々に減少したが、両群に有意な差は認められなかった。そこで、トレッドミルを用いての強制運動による持久力を検討した。10分間のトレッドミル走行前後での血中乳酸濃度を測定したところ、心不全ラットの乳酸増加率はシャム手術ラットに比較して有意に増加した。本研究計画では、この段階で不全心にSERCA2a遺伝子を導入することにより、運動パフォーマンス(持久力)の改善を検討することになっているが、現在、本研究機関の動物実験施設ではAAV-SERCA2aを使用できないので、甲状腺ホルモン(T3)投与によるSERCA2a遺伝子発現の増大を試みた。しかし、T3投与の予備実験において、心不全ラットが死亡したので本実験を中止した。そこで、運動によりSERCA2a遺伝子発現が増大し、運動パフォーマンス(持久力)や血圧が改善するかを検討した。両手術ラットを3週間にわたり回転式運動量測定ケージで飼育して、飼育前後での持久力と血圧を測定した。その結果、3週間の自発的運動により心不全ラットの最大血圧の上昇と持久力の向上が認められた。現在、圧カテーテル法による心機能解析と左心室でのSERCA2a蛋白質発現解析の検討を行っている。
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