2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規ペプチドによるプラスミノーゲン活性化促進機構の解析とその応用
Project/Area Number |
20590222
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
岡田 清孝 Kinki University, 医学部, 講師 (20185432)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 理 近畿大学, 医学部, 教授 (40030879)
上嶋 繁 近畿大学, 農学部, 教授 (30193791)
永井 信夫 近畿大学, 医学部, 講師 (90260281)
河尾 直之 近畿大学, 医学部, 助教 (70388510)
|
Keywords | プラスミノーゲン / ペプチド / 線溶系 / スタヒロキナーゼ |
Research Abstract |
黄色ぶどう球菌が産生するstaphylokinase(SAK)は、plasminと複合体を形成しplasminogen(Plg)活性化能を発現する。このSAKのアミノ酸配列の22から40番目に相当するペプチド(SAK22-40)は、PlgのB鎖側のSAK結合部位とは異なる場所に結合し、Plg活性化促進作用を示すことを見出した。そこで、本研究では、SAK22-40ペプチドのPlg活性化促進機構の解明と、その応用を目的とする。 平成21年度は、SAK22-40ペプチドのPlg結合部位についてPlgの合成ペプチドと血管内皮細胞を用いて検討し、以下の結果を得た。 1.Plgの円偏光二色性(CD)解析では、SAK22-40ペプチドの結合で構造変化が認められた。 2.SAK22-40ペプチドは、ヒト血管内皮細胞上でPlg活性化促進作用を示した。 3.SAK22-40ペプチドは、ヒト血管内皮細胞上のPlgに結合し、その結合はPlgB鎖C末端側合成ペプチド(B11)で阻害された。 以上の結果より、PlgはSAK22-40ペプチドの結合で構造が変化し、活性化誘導が起こしやすくなることが示唆された。また、SAK22-40ペプチドのPlg活性化促進作用は、血管内皮細胞上でも起こることから、生体内での反応としても期待される。平成22年度以降は、SAK22-40ペプチドの血栓溶解促進機構について、マウス血栓モデルを用いて解析し、その有用性について検討する。
|
Research Products
(4 results)