2009 Fiscal Year Annual Research Report
森林揮散物質「みどりの香り」が発現する抗ストレス作用の脳内機構に関する研究
Project/Area Number |
20590227
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
佐々木 和男 University of Toyama, 理工学研究部(工学), 教授 (60042826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 正治 富山大学, 理工学研究部(工学), 教授 (70211050)
中島 一樹 富山大学, 理工学研究部(工学), 准教授 (50207776)
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Keywords | ストレス / 脳・神経 / みどりの香り / セロトニン / ドーパミン |
Research Abstract |
高架式十字迷路は長さ30cmの壁のないオープンアームと壁のあるクローズドアームを十字状に交差させ、それを床から50cm程度の高さに設置したものである。新規なものを探索しようとする動因とアームから落ちるかもしれない危険(不安)を回避しようとする動因との平衡状態の中でアーム上の動物が示す行動様式の変化から不安の程度を定量化しようとするものである。用いた香りは溶媒のトリエチルサイトレート(対照として使用)、3Z-hexenol(青葉アルコール)0.03及び0.3%、2E-hexenal(青葉アルデヒド)0.03及び0.3%及び両者の混合臭0.03及び0.3%である。各濃度の香りが充満したケージ(20×30×20cm)内にマウス(ddy、雄)を30分間留置した後、直ちに高架式十字迷路に移し、不安様行動の指標であるオープンアームへの進入回数・滞在時間、クローズドアームへの進入回数・滞在時間、総移動距離などを5分間測定した。オープンアームへの進入回数は0.03%の青葉アルコール群、青葉アルデヒド群及び混合臭群の順で増加し、混合臭群での増加は対照群と比べ統計的に有意であった。いずれの香りの群でもオープンアームへの進入回数は0.3%群より0.03%群で多かった。オープンアームでの滞在時間は0.03%の混合臭群で増加する傾向が認められた。不安様行動の発現には脳内セロトニン系が重要な働きをしていることから、本実験の結果は「みどりの香り」、特に0.03%の混合臭が脳内セロトニン系の活動を修飾し、抗ストレス作用に加え、抗不安作用を持つことを示している。
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Research Products
(1 results)