2008 Fiscal Year Annual Research Report
ラット新生仔低酸素虚血脳障害に対する環境温度の効果の容易な行動機能実験による評価
Project/Area Number |
20590239
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
細野 剛良 Osaka Electro-Communication University, 医療福祉工学部, 教授 (60294104)
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Keywords | 行動学 / 脳・神経 / 脳神経疾患 / 環境温度 / 新生児 / ラット |
Research Abstract |
本研究では、第1に幼若なラットに低酸素虚血傷害を与えた時に生じる脳障害の重篤度とその予後に対する環境温度の影響を、「訓練などの煩雑な操作を極力必要とせず、かつ1試行の所要時間が短い行動機能実験」によって発育過程を追って評価する。第2にそれらの評価法を用いて、環境温度、特に低体温を来たすような環境温度によって新生仔低酸素虚血モデルラットの脳障害が軽減するか、そして軽減する場合にはその要因や機序を明らかにしようとする。最終的には、ヒトの新生児の低酸素虚血脳障害に対する脳低温療法や最適な分娩室やインファント・ウォーマーの温度の検討に一定の根拠を与えるものとなる。また、行動機能実験によって評価することによって、生育環境などが新生児の低酸素虚血脳障害に対して運動機能や学習記憶機能などにいかに影響を与えるかを解明する手がかりともなる。本研究は平成20年11月に科学研究費補助金の交付が決定したため、平成20年度の研究期間は十分ではなかったが、次の成果を得ることができた。1.モデル動物の作成:Wistar新生仔ラットを用いて高体温低酸素虚血脳障害モデルを作成するモデル作成系を確立した。8週齢まで飼育し予備実験に供した。2.行動機能実験系の確立と準備データの記録:(1)ビデオ・トラッキング・システムを用いてMorris水迷路実験系を構築した。同実験系を用いて、モデルの遊泳テストを実施した。(2)既存のロータロッド実験装置を用いて、モデルの運動能力を検討した。(3)既存のステップダウン型受動回避実験装置を用い、モデルの短期記憶能力を検討した。以上の検討によって、高体温低酸素虚血脳障害モデルは運動能力、記憶能力に劣ることを推測できる予備実験結果が得られた。
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Research Products
(2 results)