2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラット新生仔低酸素虚血脳障害に対する環境温度の効果の容易な行動機能実験による評価
Project/Area Number |
20590239
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
細野 剛良 大阪電気通信大学, 医療福祉工学部, 教授 (60294104)
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Keywords | 脳・神経 / 環境温度 / 新生児 / 行動学 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
ヒト新生児低酸素虚血脳障害の臨床の上の知見から、脳障害に対する環境温度、とくに高い環境温度が患児の知能・行動に悪影響を与えることが注目されている。本研究では、特に高い環境温度のもとで低酸素虚血脳障害を生じさせた動物モデルを用い、その知能あるいは行動を実施の容易な行動機能実験と組織学的な検討を併せて行った。動物モデルの作成では、生後7日目のWistar新生仔ラットをイソフルラン吸入麻酔下に左総頚動脈を露出・結紮1時間後、酸素8%・窒素92%の環境温度40℃のチャンバーに15分収容して、高環境温低酸素負荷を課すことにより作成した。その後、酸素20%のもと、環境温を調節して高直腸温(39℃)に60分おく高温群1と30分おく高温群2と対照群を作成した。これら3群の新生仔を母獣に乳離れまで哺育させ、さらに8週以降まで飼育し、ステップダウン型受動回避テスト、ロータロッドテスト、Morris水迷路テストを実施した。いずれの検討においても高温群1と高温群2の成績には有意な差異は認めなかった。さらに、これらの高温群・対照群に加え、昨年度までに行動機能実験により検討した、高環境温低酸素負荷後に直腸温を調節した常温群(37℃)、低温群(35℃)について、深麻酔下に脳を固定・摘出してパラフィン包埋標本を作成した。これにHE染色を加え脳組織標本を作成し、海馬、大脳皮質などを中心にその領域面積や細胞数の計数などの検討を行った。今回の組織学的では有意な差異は見出されなかった。以上の成果について国際学会にて発表した他、ロータロッドテストの成績を中心に学術誌(査読あり)に論文発表した。
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Research Products
(2 results)