2008 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞のATP感受性K^+チャネルの分子同定とその機能的役割の解析
Project/Area Number |
20590249
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中谷 晴昭 Chiba University, 大学院・医学研究院, 教授 (60113594)
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Keywords | K_<ATP>チャネル / 血管内皮細胞 / 冠動脈痙縮 / 遺伝子欠損動物 |
Research Abstract |
血管平滑筋細胞のATP感受性K^+(K_<ATP>)チャネルはこれまでの研究によって、Kir6.1とSUR2Bからなるとされているが、内皮細胞に存在するとされるK_<ATP>チャネルの構成分子およびその機能的役割は十分明らかとなっていない。本研究ではKir6.2あるいはKir6.1のノックアウトマウスを用い、内皮細胞に存在するK_<ATP>チャネルのポア分子構成成分を同定すると共に、その失調が攣縮などの冠状動脈の機能障害に関与するか否かを明らかにする目的で研究を遂行した。まず、マウス肺毛細血管から内皮細胞を単離した。具体的にはコラゲナーゼを用いて処理し、その懸濁液からCDlO2抗体でコーティングしたダイナビーズおよび分離カラムを用いて、血管内皮細胞を分離選択し、初代培養を行った。その後、単離培養血管内皮細胞にパッチクランプ法を用いて電位固定および電位測定を行い、細胞外からATP感受性K^+チャネル活性化作用を持つピナシジルを投与し、膜電位変化を検討した。マウス肺組織から血管内皮細胞の単離には成功し、パッチクランプ法によって単離培養血管内皮細胞から膜電位を測定したが、ピナシジルを与えても明らかな膜電位変化が観察されなかった。これはK_<ATP>チャネルが活性化しても、他のイオンチャネルが活性化し、膜電位変化を保障するように働いたとも考えられる。そこで、単離した血管内皮細胞からK^+チャネル開口薬を投与した際、NOの遊離が惹起されるか否かをNO感受性蛍光色素を用いて検討する実験系を新たに組み、現在実験計画を再検討中である。
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