2008 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおける酸化ストレスの関与の証明と新しい抗酸化療法の開発
Project/Area Number |
20590258
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
吉栖 正典 Nara Medical University, 医学部, 教授 (60294667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 広康 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90150309)
中山 均 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50133195)
磯崎 稔 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60159811)
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Keywords | 薬理学 / メタボリックシンドローム / 酸化ストレス / シグナル伝達 / 抗酸化療法 / インスリン抵抗性 / MAPキナーゼ / BMK1 |
Research Abstract |
本研究の目的は、1)メタボリックシンドロームの発症・進展における酸化ストレスの関与の証明と、2)メタボリックシンドロームに対する抗酸化薬の効果の検証することにある。具体的には、1)培養ラット大動脈平滑筋細胞、血管内皮細胞でのインスリン抵抗性発現の細胞内分子機構における酸化ストレスの役割を解明する。 2)メタボリックシンドロームモデルラットを用いたin vivoでの酸化ストレス産生増大を証明し、抗酸化薬によるインスリン抵抗性の改善および心血管病予防効果を検討する。 3)実際の臨床病態に近いメタボリックシンドロームモデルラットに閉塞性動脈硬化症(ASO)を合併した疾患モデル動物を作成し、抗酸化薬による病態改善効果を検討する。 本年度は上記1)に関する研究を行った。培養ラット大動脈平滑筋細胞において、インスリン刺激による細胞内への糖取り込みが、アンジオテンシンIIや酸化ストレスの負荷によって抑制されることを見いだした。また細胞への酸化ストレスの負荷によりMAPキナーゼのひとつBMK1が活性化されることも見いだしている。さらにBMK1のsiRNAを細胞にトランスフェクトし、BMK1の発現抑制が得られる実験系を確立した。次年度はこの知見に基づいて培養ラット大動脈平滑筋細胞、血管内皮細胞でのインスリン抵抗性発現の細胞内分子機構における酸化ストレスの役割の解明に焦点を当てて実験を行う予定にしている。
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