2008 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドローム合併症におけるキマーゼの病態生理学的役割
Project/Area Number |
20590265
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
高井 真司 Osaka Medical College, 医学部, 准教授 (80288703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 徳男 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90319533)
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Keywords | キマーゼ / メタボリックシンドローム / 高血圧 / 糖尿病 / 高脂血症 / 内皮機能障害 / 臓器線維化 / 脂肪肝 |
Research Abstract |
「研究の目的」高血圧、糖尿病、高脂血症の合併症をモデル動物で作製し、メタボリックシンドローム合併症とキマーゼの関連性を明らかにする。 「研究実施計画」高血圧、糖尿病、高脂血症により惹起される合併症モデルを組織学的、生化学的に解析することとキマーゼの動態解析を行う。 糖尿病モデル:ハムスターにストレプトゾトシン(STZ)を投与することで発症する糖尿病モデルを作製し、経時的に血管内皮機能ならびに心機能の解析、組織学的解析、生化学的解析を行った。血糖値は、STZ投与後1週より有意に増加し、血管内皮機能は投与後1ヶ月以降で確認された。また、心機能障害は投与後6ヶ月で見られた。一方、キマーゼは、STZ投与後1ヶ月で血管組織で有意に増加し、心臓においても6ヶ月後に増加傾向を示した。 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデル:ハムスターにメチオニンーコリン欠乏食(MCD)を与えて作製するNASHモデルの解析を行った。MCD食負荷後8週において、肝臓組織で脂肪肝ならびに線維化形成が認められ、NASH様の病態形成を確認した。また、肝臓でのキマーゼ活性を解析した結果、キマーゼはNASHモデルにおいて有意に増加していた。 腹部大動脈瘤モデル:高脂血症モデル動物として知られるApoE欠損マウスにアンジオテンシンIIを持続投与することにより、高血圧状態を引き起こし、腹部大動脈瘤が形成されることを確認した。このモデルでは、腹部大動脈瘤形成部位において、キマーゼならびにキマーゼにより活性化されるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-9活性が有意に増加することが確認できた。
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Research Products
(2 results)