2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590274
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小林 久江 Gunma University, 生体調節研究所, 技術専門職員 (80234839)
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Keywords | 樹状細胞 / SHPS-1 / 自然免疫 |
Research Abstract |
樹状細胞は抗原提示細胞としてナイーブな T 細胞を活性化することで、特異的な抗原に対する免疫系の活性化に中心的な役割を果たす。また、最近では自然免疫と獲得免疫をつなぐ重要な役割を担っていることが明らかになってきている。しかしながら、樹状細胞の分化・活性制御の分子機構については未だ十分には分かっていない。本研究では、樹状細胞による免疫系制御の基盤となる樹状細胞-リンパ球間相互作用について、申請者が見出している新しい細胞間シグナルシステムCD47-SHPS-1系による制御機構を中心に、樹状細胞の制御メカニズムの解明に取り組み、感染症や自己免疫疾患、がん免疫療法への応用の基盤とすることを目的とする。今年度は、以下の結果を得た。 (1)SHPS-1は樹状細胞の分化に関与していると考えられる。マウス脾臓には3種類のCDllchighDC(conventional DC,cDC)が存在し、SHPS-1はそのうちCD8℃D4+cDCまたはCD8℃D4-cDCに強く発現するが、SHPS-1のKOマウスにおいて、これらの分画のうちCD8 (1)SHPS-1は樹状細胞の分化に関与していると考えられる。マウス脾臓には3種類のCDllchighDC(conventionalDC,cDC)が存在し、SHPS-1はそのうちCD8- CD4+cDCまたはCD8- CD4 +cDCに強く発現するが、SHPS-1のKOマウスにおいて、これらの分画のうちCD8- CD4+cDCのみが著しく減少していた。以上の結果より、SHPS-1はinvivoにおけるcDCの二次リンパ組織内での恒常性の制御に重要なシグナル系であることが示唆された。D4+cDCのみが著しく減少していた。以上の結果より、SHPS-1はin vivoにおけるcDCの二次リンパ組織内での恒常性の制御に重要なシグナル系であることが示唆された。 (2)SHPS-1 KOマウズでは、コラーゲン誘導性関節炎(CIA)の発症が著しく抑制されることを見出した。さらに、SHPS-l KOマウス由来樹状細胞によるCD4陽性T細胞のTh17への分化が障害されていることも明らかにした。また、CD47とSHPS-1の結合を特異的に阻害するSHPS-1のモノクロナール抗体を作製した。さらに、この抗体を用いて接触過敏性皮膚炎(CHS)の発症を抑制できる.ことを明らかにした。今後、抗体を用いた治療につきさらに検討を加える予定である。
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Research Products
(3 results)