2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590274
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小林 久江 Gunma University, 生体調節研究所, 技術専門職員 (80234839)
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Keywords | 樹状細胞 / SHPS-1 / 自然免疫 |
Research Abstract |
樹状細胞は抗原提示細胞としてナイーブなT細胞を活性化することで、特異的な抗原に対する免疫系の活性化に中心的な役割を果たす。また、最近では自然免疫と獲得免疫をつなぐ重要な役割を担っていることが明らかになってきている。しかしながら、樹状細胞の分化・活性制御の分子機構については未だ十分には分かっていない。本研究では、樹状細胞による免疫系制御の基盤となる樹状細胞-リンパ球間相互作用について、申請者が見出している新しい細胞間シグナルシステムCD47-SHPS-1系による制御機構を中心に、樹状細胞の制御メカニズムの解明に取り組み、感染症や自己免疫疾患、がん免疫療法への応用の基盤とすることを目的とする。今年度は、以下の結果を得た。 SHPS-1は樹状細胞に強く発現し、SHSP-1 KOマウスの2次リンパ組織ではCD11c陽性CD8陰性樹状細胞が顕著に減少していることを見出していた。骨髄キメラマウスなどを用いた種々の検討からDC上のSHPS-1がこの制御に重要であることが明らかとなった。さらに、SHPS-1はCD8陰性樹状細胞の前駆細胞からの増殖や分化には関与せず、成熟後の生存に重要であることが明らかとなった。一方、CD47 KOにおいても、2次リンパ組織ではCD11c陽性CD8陰性樹状細胞が著名に減少していることを見出した。さらに、骨髄キメラマウスを用いた検討により、非血球細胞上(おそらくはストローマ細胞など)のCD47と樹状細胞上のSHPS-1との相互作用が樹状細胞の恒常性維持に必須の役割を果たしていることが示唆された。
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