2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590280
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
島 扶美 Kobe University, 医学研究科, 助教 (60335445)
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Keywords | インシリコ / 創薬 / ras癌遺伝子 / シグナル伝達 / 癌 / 低分子量G蛋白質 |
Research Abstract |
GTP結合型Rasに存在する、相互変換可能な2っの立体構造(state 1 : 不活性型とstate 2 : 活性型)のうち、分子表面にポケットを有することが確認されているstate 1構造を分子標的とした。このstate1のポケットにエネルギー的に安定に結合することにより活性型(state 2)への移行を阻害する可能性のある化合物が、Rasの機能阻害剤になる可能性に着目した。State 1の構造情報に基づき、ポケットに結合する可能性が高い低分子量有機化合物をバーチャルライブラリーから、MM+PBSA法を利用したドッキングシミュレーションとコンピュータ能動学習法を利用して選抜し、試験管内Ras-Raf結合阻害試験で活性検証を行った。選抜化合物のうち、試験管内でRas-Raf結合阻害作用を示したものについては、活性型H-ras,K-rasを安定発現する癌化細胞株を用いて活性評価を行ったところ、細胞内においてもRasの機能を阻害する13種類のヒット化合物が得られた。ヒット化合物のうち約半数について、^<31>P-NMR測定により、Rasの立体構造をstate 1に安定化する作用が確認された。ヒット化合物は、母核構造上3種類のカテゴリー(A,BならびにC)に分類された。A群の化合物では、内服投与によりヌードマウスに移植した活性型K-rasを有する癌化細胞の腫瘍形成を抑制する有意な活性が認められた。^<15>N-,^1H-HSQC(2次元NMR測定)によって、A郡の化合物はH-Rasの分子表面の残基に結合することが確認された。現在、Rasと化合物との作用メカニズムを解析するために、GTP結合型H-RasとA群の化合物との複合体の結晶ならびにX線結晶構造解析を実施している。
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Research Products
(1 results)