2009 Fiscal Year Annual Research Report
アナンダミド生成に係わる新規リン脂質代謝酵素の生理機能解析
Project/Area Number |
20590284
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
金 星華 Kagawa University, 医学部, 外国人研究者 (50457339)
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Keywords | N-アシルエタノールアミン / アナンダミド / カンナビノイド / N-アシルトランスフェラーゼ / 酵素 / リン脂質 |
Research Abstract |
カンナビノイド受容体の内因性リガンドとして見出されたアナンダミドを含む種々のN-アシルエタノールアミンは、動物組織中で生体膜のグリセロリン脂質から2段階の酵素反応で合成される。この反応の第一段階を触媒するCa^<2+>依存性N-アシル転移酵素の実体は依然として不明であるが、我々は、同じ反応を触媒する別酵素を発見し、Ca^<2+>非依存性N-アシルトランスフェラーゼと名付けた。同酵素のcDNAをラット、マウス、ヒトからクローニングし、組換えタンパク質をCOS-7細胞で発現させたところ、いずれもCa^<2+>非依存的に同反応を触媒した。 一方、Ca^<2+>依存性N-アシル転移酵素については、ラット脳で比較的強い活性を示すことが既に報告されているが、高度の精製やcDNAクローニングについての報告はない。そこで21年度は、同酵素の精製を試みた。具体的には、生後2日のラットの脳から膜画分を調製し、0.5%の界面活性剤Nonidet P-40を用いて可溶化した。次に、HiTrap Q HP陰イオン交換クロマトグラフィーとHiTrap SP HP陽イオン交換クロマトグラフィーの組み合わせにより精製度を高め、部分精製することに成功した。酵素活性の測定については、sn-1位とsn-2位の両脂肪酸鎖を^<14>Cで放射標識したホスファチジルコリンと非放射標識のホスファチジルエタノールアミン(PE)をそれぞれアシル基供与基質および受容基質に用いて、酵素標品と反応させた。反応後、生成物のN-[^<14>C]パルミトイル-PEをシリカゲル薄層クロマトグラフィーで分離後、BAS1500バイオイメージングアナライザーで放射活性を測定した。現在、酵素のいっそうの精製を検討中である。
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Research Products
(4 results)