2010 Fiscal Year Annual Research Report
アナンダミド生成に係わる新規リン脂質代謝酵素の生理機能解析
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20590284
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
金 星華 香川大学, 医学部, 外国人研究者 (50457339)
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Keywords | N-アシルエタノールアミン / アナンダミド / エンドカンナビノイド / N-アシルトランスフェラーゼ / 酵素 / リン脂質 / がん抑制遺伝子 |
Research Abstract |
カンナビノイド受容体の内因性リガンドとして見出されたN-アラキドノイルエタノールアミン(アナンダミド)を含む種々のN-アシルエタノールアミンは、動物組織中で生体膜のグリセロリン脂質から2段階の酵素反応で合成される。この経路の第一段階は、ホスファチジルエタノールアミンに別のグリセロリン脂質から脂肪酸鎖を転移してN-アシルホスファチジルエタノールアミンを生成する反応であるが、この反応を触媒するCa^<2+>依存性N-アシルトランスフェラーゼの実体は依然として不明である。しかしながら申請者らは同じ反応を触媒する別酵素を発見し、Ca^<2+>非依存性N-アシルトランスフェラーゼ(iNAT)と名付けた。同酵素のcDNAをラット、マウス、ヒトからクローニングし、組換えタンパク質をCOS-7細胞で発現させたところ、いずれもCa^<2+>非依存的に同反応を触媒した。また、iNATは「HRASLSファミリー」の一員であるが、同ファミリーのメンバーで、がん抑制遺伝子として報告されてきたH-rev107、TIG3、HRASLS2にもN-アシルトランスフェラーゼ活性が認められた。引続き平成22年度は同ファミリーに属するがん抑制遺伝子で、これまで酵素活性の報告がなかったA-C1についても、ホスホリパーゼA_1/A_2活性やリゾリン脂質O-アシルトランスフェラーゼ活性に加えてN-アシルトランスフェラーゼ活性を有することを見出した。一方、Ca^<2+>依存性N-アシルトランスフェラーゼについては幼弱ラットの脳で比較的強い活性を示すので、同組織の膜画分から同酵素の可溶化と精製を試みたが、高度な精製には至らなかった。
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Research Products
(8 results)