2008 Fiscal Year Annual Research Report
同種造血幹細胞移植後患者における遺伝子多型を用いた爪のキメリズム解析
Project/Area Number |
20590286
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
今西 大介 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30398169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝長 万左男 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40100854)
宮崎 泰司 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40304943)
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 放射線 |
Research Abstract |
同種造血幹細胞移植が行われた患者の爪にっいてshort tandem repeat(STR)解析を行った。多数例でドナーDNAが検出され、その混在率は非常に高値であった。また、移植後長期間経過した症例からもドナーDNAが検出された。この結果は、ドナー細胞が非造血組織へ分化し、移植後長期間にわたって患者の爪の構築に関与していることを示唆している。 本研究の目的は、同種造血幹細胞移植後患者の爪の構築に関与するドナー細胞を同定し、爪における恒常的キメリズムの成立機構を明らかにすることである。そのために、同種造血幹細胞移植を受けた患者の爪からDNAを抽出し、STR解析によってドナーDNAの混在率を算出する。その結果と臨床経過との関連について検討する。同種造血幹細胞移植には骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、ミニ移植など様々な方法が存在する。各々の移植を受けた多数の患者の爪について解析を行うことによって、爪における恒常的キメリズムの成立機構にっいて有用な情報が得られる可能性が高い。現在までに10例の患者より検体を採取し解析中である。今後はさらに多数例で解析を行う予定である。 また、今後はマウスを用いて爪に分化したドナー細胞の起源の同定を試みる予定である。マウスより骨髄細胞を採取し、セルソーターを用いて各群に分ける。各細胞群を致死量放射線照射したマウスに移植する。各群のマウスの爪におけるドナーDNAの混在率を算出し、移植した細胞群との相関について検討する。上記の解析を行うため、現在、実験系を構築中である。
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