2009 Fiscal Year Annual Research Report
DjA2 KOマウスの示す酸性オルガネラ内腔pH調節異常の分子基盤の解明
Project/Area Number |
20590287
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
寺田 和豊 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 准教授 (00253724)
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Keywords | 分子シャペロン / HSP40 / ノックアウトマウス / 酸性オルガネラ / pH |
Research Abstract |
呼吸器系細胞機能に異常を示したDjA2のノックアウトマウスは、肺胞2型細胞や肺胞マクロファージで、リソソーム系酸性オルガネラ内腔のpH上昇をもたらした。この異常なpH上昇は、Na^+/H^+-交換体の阻害剤でpH=4.0程度まで低下させることができ、所要時間も10-20秒程度の速い反応であった。平成21年度は以下の結果を得た。 1. 阻害剤を添加前後にサイトゾルのpH変化をBCECFを用いて調べた結果、変化を認めなかった。このとき酸性化オルガネラの大きさも見かけ上変わらなかった。 2. 各種樹立培養細胞株の内腔pHは、細胞株によっで異なっていた。しかしながら阻害剤の添加で、どの細胞の内腔pHもpH=4.0程度まで低下させることができた。 したがってノックアウトマウスの肺胞細胞で既知の液胞型H^+-ATPaseによる正の酸性化機構は正常に保たれているが、H^+流出機構による制御が破綻しているものと強く示唆された。これに加えて平成21年度は、DjA2をはじめとする1型Hsp40/DnaJメンバーとunfoldさせたモデル基質との分子間相互作用解析を行った。その結果、Hsp40/DnaJメンバーは2量体としてunfoldしたタンパク質に結合し、解離定数(K_<D1>)は10^<-7>M程度と、それほど強い親和性を示さないことを見出した(JBC,印刷中)。この成果は、DjA2が都直接認識する因子(酸性オルガネラ膜上のH^+流出装置と予想される)との免疫共津実験を行う上で指針となる。そこで、平成22年度は、細胞可溶化の際に架橋剤を加え、DjA2が結合している複合体を安定化してから、免疫共沈実験を行う予定である。
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Research Products
(2 results)