2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨のリモデリングと造血代謝の相互作用に関する分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
20590289
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中山 ゆかり (六車 ゆかり) Tokai University, 医学部, 研究員 (80398750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 潔 東海大学, 医学部, 教授 (70176014)
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Keywords | 骨代謝 / 造血代謝 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
【目的】骨代謝と造血代謝の相互作用におけるNotchシグナルの役割を解明するために、Notchリガンドの有無による骨髄環境と造血再生のちがいを比較解析した。 【結果】まず、Notchリガンドであるjaggedlコンディショナル欠損マウスと同腹対照マウスは、定常状態では骨形態と造血において顕著な差は見られなかった。そこで、骨髄を破壊する操作を行って骨髄および造血の再構築を分析したところ、同腹対照マウスでは骨髄破壊後約2週間で骨髄環境が再構築され、造血機能も回復した。それに対してjaggedlコンディショナル欠損マウスの骨髄は、破壊後1週間後では線維芽細胞様の形態を示す細胞が充満し、2週間たつと石灰化した骨が髄腔全体に点在し、それらの骨は4週間たっても融解されず、骨髄環境は再構築されなかった。また、造血機能を解析してみると、骨髄内造血細胞の数、造血幹細胞の比率および絶対数が同腹対照マウスに比べて減少し、定常状態まで回復していなかった。 【考察】以上の結果から、jggedlの欠損は骨髄環境および造血機能の回復を妨げていることうが示された。このことは、jaggedlが骨と血液のダイナミックな代謝に重要な働きを持つことを示唆している。定常状態で顕著な差はないのはlaggelの欠損を補償する機構が存在するためであると思われる。現在、jaggedlが骨髄環境維持している骨芽細胞と破骨細胞の相互乍用にどのように関わっているかを解析中である。
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Research Products
(4 results)