2008 Fiscal Year Annual Research Report
未知のポリADP-リボシル化タンパク質の同定、修飾部位決定と生物学的意義の解明
Project/Area Number |
20590291
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
三輪 正直 Nagahama Institute of Bio-Science and Technology, バイオサイエンス学部, 教授 (20012750)
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Keywords | 翻訳後修飾 / ポリADP-リボシル化 / アフィニティークロマトグラフィー / タンパク質 / モノクローン抗体 |
Research Abstract |
1.各組織からの未知のポリADP-リボシル化タンパク質の抽出法の確立について ポリADP-リボース分解酵素(PARG)の欠損変異個体であるショウジョウバエより、ポリADP-リボース抗体と反応する物質を抽出する条件として、6種類の抽出条件で調べたところ、Denaturation buffer2(0.5%SDS,50mM Tris-HCl,pH7.4,70mM2-mercaptoethanol)を加えた後、5分間の煮沸を行なう方法が最も抽出効果が良かった。SDSの濃度を0.1%に下げた場合は抽出効果は低下した。このことから、ショウジョウバエの変異体の脳に蓄積する天然のポリADP-リボシル化タンパク質の抽出は、293T細胞からの場合とは大きく異なり、改めて条件検討の必要があった。 2.ポリADP-リボシル化タンパク質の単離方法の確立について ポリADP-リボースに対するモノクローン抗体(10H)の培養上清をProtein A-SepharoseカラムでIgG画分を精製した。精製10H抗体をCNBr-activated Sepharoseに結合させてポリADP-リボース抗体カラムを作製した。1,500匹の変異体から上記の方法により得た、ショウジョウバエの抽出液を20倍希釈し、10H抗体カラムに通して吸着させる試みを行なった。カラムに吸着し、溶出された画分をポリアクリルアミド電気泳動にて分離したところ、洗浄画分には見られないバンドとして300kDaおよび50kDa付近のバンドがタンパク染色で見られた。現在これを質量分析計で解析中である。 これらの検討により、変異体のショウジョウバエより抽出されたポリADP-リボシル化タンパク質の単離法について一応の目処はついたといえる。しかし、10H抗体カラムに対しての吸着と溶出の条件は更に検討を要するといえる。
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