2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590299
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
若尾 宏 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 助教 (10280950)
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Keywords | シグナル伝達 / 免疫制御能 / 能性幹細胞 |
Research Abstract |
免疫制御能を持つリンパ球の機能異常は個体の免疫バランスを崩壊させ、感染・がん・自己免疫疾患・アレルギーなどの疾患をもたらす一方で、これらリンパ球自身は臓器移植時における免疫寛容誘導や上記疾患の予防などにも重要な役割を果している。本研究の目的はこれら細胞を将来の細胞治療ならびに再生医療に応用することを目指して当該リンパ球のシグナル伝達を解明し、その機能に結びつく重要な分子群ならびにシグナル伝達経路を解明することにある。本年度は免疫制御能を持つリンパ球シグナル伝達系を生化学的/分子生物学的に解析するため、これらリンパ球をマウス胚性幹細胞(ES細胞)から分化誘導するための系を立ち上げた。まず、マウスES細胞に免疫制御能を持つリンパ球特異的遺伝子を安定的に遺伝子導入することできるか否かを確認した。遺伝子導入には電気刺激による方法とウイルスベクターを使用した方法を用いた。その結果、前者の手法では導入遺伝子の一過性の発現が見られたのに対し、後者の手法では導入遺伝子の安定的発現が確認された。今後、異なった免疫制御能を持つリンパ球特異的な遺伝子をマウスES細胞に導入し、安定発現株を取得すると共にこれらの細胞を培養皿で培養して免疫制御能を発揮するリンパ球が選択的に分化誘導される条件を検討する予定である。これにより当該リンパ球はほぼ無限に取得可能となるので当初計画したシグナル伝達研究が可能となる。
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Research Products
(3 results)