2010 Fiscal Year Annual Research Report
赤芽球型アミノレブリン酸合成酵素の翻訳後修飾とその役割
Project/Area Number |
20590301
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古山 和道 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80280874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴原 茂樹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70206142)
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Keywords | アミノレブリン酸合成酵素 / 翻訳後修飾 / SUMO / 赤芽球 |
Research Abstract |
赤芽球型アミノレブリン酸合成酵素(ALAS2)をヒト繊維芽細胞内で過剰発現させWestern blot解析を行ったところ、予想される大きさの分子に加えて、より大きな分子(仮にALAS2-Lと称する)も検出されることが明らかとなった。また、このALAS2-Lの発現量は細胞内のヘムの量に応じて変化することから、ALAS2-Lの形成はヘムによるALAS2の発現制御に関与している可能性が示唆された。ALAS2-Lの構成成分を明らかにするため、免疫沈降法により精製してSDS-PAGEにより分離した後にトリプシン処理を行い、HPLCと質量分析を組み合わせた方法(LC-MS)によりALAS2-Lの構成成分を明らかにすることを試みた結果、ALAS2-LにはALAS2分子が含まれている事が明らかとなったが、それ以外の分子については再現性よく検出する事はできなかった。また、異なるtagを付与したALAS2タンパク質を共発現させ、それぞれのtagに対する抗体で免疫沈降を行って解析したところ、ALAS2-LにはALAS2がホモ二量体として含まれる事も明らかになった。また、大腸菌でALAS2とglutathion S transferase(GST)との融合タンパク質とSUMO化に必須なE1,E2酵素、さらにはSUMO1を共発現させて調べたところ、ALAS2タンパク質はSUMO化されうる事が明らかになった。 これらのALAS2の翻訳後修飾がALAS2の機能発現、さらには赤芽球の分化において果たす役割を明らかにする事は、正常な造血機構および様々な貧血の病態を明らかにする上で非常に重要であると考えられるため、今後更に詳細な検討を続けていく必要がある。
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Research Products
(3 results)