2010 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍融解性SINレプリコンの開発と腫瘍特異的SIN複製機構の解明
Project/Area Number |
20590302
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
白澤 浩 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00216194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 謙悟 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (70451755)
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Keywords | 癌 / ウイルス / レプリコン / 腫瘍融解 |
Research Abstract |
(腫瘍特異的融解性変異株の選別と解析) 腫瘍融解性SINレプリコンの開発のために、増殖能が高いSINクローンを選別する戦略により変異株の選別を平成20年度に行った。その結果、HeLa細胞に対する細胞傷害性が高いクローンを選択し、ov-SINと命名した。ov-SINには、5'-UTRのnt35にG→Aの変異およびnsp2の438番アミノ酸にP→Lの変異が存在した。ov-SINは、非癌細胞であるVero細胞の増殖期に対しても細胞傷害性を示したが、静止期の正常ヒト繊維芽細胞および静止期のVero細胞に対しては細胞傷害性を示さなかったことから、SINの腫瘍特異性には、細胞周期が関連していることが明らかとなった。 (腫瘍特異的融解性レプリコンの作成と評価) 次に、ov-SIN cDNAの5'UTR,nsP1,nsp2,nsP3,nsP4領域のcDNAを調整した。SINレプリコンcDNAをCMVプロモーター下流に組込んだ一連のSINレプリコン発現プラスミド、およびSINレプリコンcDNAをT7プロモーター下流に組み込みin vitro合成したSIN RNAレプリコンによる細胞傷害性を検討した。 その結果、ov-SINレプリコンは、HeLa細胞に対してアポトーシスを誘導するが、Vero細胞および正常ヒト線維芽細胞に対するアポトーシス誘導能が極めて低く、ov-SIN自体よりも腫瘍融解特異性の高いことを確認した。また、CMVプロモーターにより強制発現させたSINレプリコンよりもin vitro合成したSIN RNAレプリコンの方が非癌細胞に対する傷害性が低く、腫瘍融解特異性の高いことが明らかとなった。更に、3' UTRを組込んだRNAレプリコンは細胞傷害性が低くなるが正常細胞への毒性が低く、3' UTRは腫瘍融解特異性を高めることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Down-regulated expression of SERPIN genes located on chromosome18q21 in oral squamous cell carcinomas.2010
Author(s)
Shiiba M, Nomura H, Shinozuka K, Saito K, Kouzu Y, Kasamatsu A, Sakamoto Y, Murano A, Ono K, Ogawara K, Uzawa K, Tanzawa H.
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Journal Title
Oncology Report
Volume: 24
Pages: 241-249
Peer Reviewed
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