2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590304
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 純人 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 講師 (20323579)
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Keywords | 炎症 / 性ホルモン |
Research Abstract |
加齢に伴って免疫機能が変化し炎症性反応が高まっていく事により老化が引き起こされる、という老化炎症仮説は広く知られており、実際的にも過剰な炎症を抑えることより高齢期における疾患を防ぎ、自立度を高め、長寿につながる可能性も示唆されるようになってきている。本研究では、加齢とともに顕在化しやすい骨粗鬆症、動脈硬化症をはじめとする老年病、生活習慣病における性差を、性ホルモンによる炎症制御の観点から明らかにすることを目指しており、本年度はマウス由来の初代培養細胞系マクロファージを分離、培養した上で、グラム陰性菌に特有なリポ多糖を添加した際に発現上昇する炎症性応答遺伝子群の同定、およびこれらの遺伝子群に対する男性ホルモン(テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA))、女性ホルモン(エストロゲン)などの性ホルモンによるRNAレベルでの発現抑制(トランスリプレッション)効果について、マイクロアレイを用いた網羅的検索を行った。また、初代培養細胞系マクロファージを用いて、各性ホルモンに対する応答遺伝子群についてマイクロアレイを用いた網羅的検索を行った。その結果、炎症性応答遺伝子群の一部に、性ホルモン特異的なトランスリプレッションが存在する可能性が示唆され、今後これらの特異性、ならびにアンドロゲン受容体(AR)やエストロゲン受容体(ER)などの核内受容体を介した発現制御の可能性について、更に確認、検討を進めていく予定である。
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