2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590304
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 純人 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20323579)
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Keywords | 炎症 / 性ホルモン |
Research Abstract |
加齢に伴う免疫機能、炎症性反応の変化により老化が引き起こされる、という老化炎症仮説(inflammaging)が次第に明らかになってきており、老年病、サルコペニア、慢性炎症の各病態における性ホルモン、核内受容体を介した制御機構が考えられている。本課題では、性ホルモンによる抗炎症、遺伝子発現抑制作用(トランスリプレッション)についてマクロファージ、骨格筋細胞等での検討を行った。野生型マウス、老化モデルマウス由来の初代培養細胞系マクロファージ、ならびに骨格筋細胞系を用いて、グラム陰性菌由来リポ多糖、腫瘍壊死因子等添加後の炎症性応答遺伝子(サイトカイン遺伝子等)群、加齢変化、細胞特異性についてマイクロアレイ、定量的PCR法を用いた解析を行った。その結果、マクロファージ、骨格筋細胞において、男性ホルモン(テストステロン)、女性ホルモン(エストロゲン)等の性ホルモンによる炎症性応答遺伝子の発現抑制、トランスリブレッション、抗アポトーシス作用の可能性が示された。また、レポーターアッセイによつて性ホルモン、核内受容体リガンドによる遺伝子プロモーター領域における転写抑制作用の可能性も示された。またマイクロアレイなどの解析結果等もあわせて、炎症性応答遺伝子群のうち、男性ホルモン、女性ホルモンなどの各性ホルモン、核内受容体リガンドに特異的なトランスリプレッション、炎症制御機構の可能性、特性が示唆された。
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