2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590306
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
滝野 隆久 Kanazawa University, がん研究所, 准教授 (40322119)
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Keywords | ECM / MMP / 細胞外環境 / 細胞運動 / インテグリン / 浸潤 / 増殖 / シグナル |
Research Abstract |
細胞外マトリックス(ECN)分解と細胞運動誘導の協調的制御は、細胞運動・浸潤の連続性維持に重要であると考えられる。特に膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT-MMP)は、ECMの変化誘導とそれを感知する細胞システムを制御しており、MT-MMPによる細胞局所超微小環境の変化が細胞運動・浸潤の連続性維持に密接に関与していると推測される。本研究では、MT1-MMPのECM分解による細胞外微小環境変化誘導が細胞接着斑の代謝回転と細胞運動・誘導シグナルの連続性を維持する機構の解明を行い、がん転移阻止に向けた新しい分子標的開発を目標とする。 1)MT1-MMPによる細胞運動誘導機構 膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT1-MMP)による局所的細胞外マトリックス(ECM)分解に起因する細胞接着斑の不安定化が、インテグリンを介した情報伝達経路と細胞運動極性形成・維持に及ぼす影響を検討した。MT1-MMP発現は、チロシンリン酸化酵素Srcによる下流の分子のリン酸化を亢進した。このリン酸化亢進にはMT1-MMPの細胞内ドメインが重要であることから、MT1-MMPの細胞内局在や結合分子の検索に重点を置いて研究を行っている。 2)MT1-MMPによる細胞外微小環境変化誘導と浸潤性増殖 ヒト扁平上皮癌細胞のコラーゲングル培養において、MT1-MMP活性を合成阻害剤やsiRNAを用いたknockdownnにより阻害すると細胞増殖が顕著に抑制された。この際、FAKとERKの活性化が抑制されていた。また、MT1-MMP阻害はインテグリンαvβ3を介したc-Srcの活性化も抑制することも見出した。c-Srcのエフェクター分子を検索したところ、コラーゲンゲル内においてMT1-MMPはPaxillinを介してERK活性化と細胞増殖を誘導することを証明した。MT1-MMPはコラーゲンゲル内において細胞外環境の変化を誘導し、c-Srcの活性化を惹起し、Paxillinを介してERK活性化と細胞増殖を誘導すると考えられた。
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Research Products
(5 results)