2008 Fiscal Year Annual Research Report
がんの発生と悪性化に関わるゲノムインスタビリティー関連遺伝子の単離
Project/Area Number |
20590309
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 元 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 講師 (80236017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村手 隆 名古屋大学, 医学部, 教授 (30239537)
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Keywords | ゲノムインスタビリティー / 肺癌 / 細胞周期 / DNA複製 / DNA修復 / チェックポイント / マイクロアレー / ヒストン修飾 |
Research Abstract |
癌が突然変異によって発生することが報告されて以来、数多くの癌関連遺伝子がヒト癌において同定されてきた。我々は、肺癌組織158例のMicroarray解析の結果を用いて、184個のゲノムインテグリティー関連遺伝子のmRNA発現プロファイルの検討を行った。その結果、本来癌で増加するはずのゲノムインテグリティー関連遺伝子の一つが、極めて生物学的悪性度の高い小細胞癌で特異的発現低下を示すことを見出した。そこでこの遺伝子のノックダウンを行い、表現型を調べたところ、DNA修復能の低下・細胞周期の遅延・染色体断裂の増加の3つの表現型を観察した。また、この遺伝子の過剰発現下でノックダウン実験を行い実験の特異性を調べたところ、DNA修復能について相補を確認した。他の二つの表現形についても現在実験中である。一方でこの遺伝子産物を精製して、その生化学的特性を検討したところ、DNA修復能の低下みた。この遺伝子の機能を調べることと並行して、遺伝子欠損を利用して新規遺伝子をクローニングするため、この遺伝子産物の免疫沈降によるMS解析を行ったところいくつかのタンパク質が特異性を持って検出された。今回検討を行っているタンパク質とMSで検出されたタンパク質との複合体形成がこの遺伝子の機能発揮にどのように関与するかを検討中である。また、細胞周期の遅延を利用したpositive screen系を用いて遺伝子スクリーニングを行うための実験系を合わせて作成している。以上の結果は今回発見した遺伝子産物が肺癌の発生に対して抑制的に働いていることを示すと同時に、今回の発見がさらに新たながんシグナル経路の発見に展開する可能性を示すものである。今年度の成果を受けて21年度は、学術発表および論文としての完成を目指す。また、新たながんシグナル経路の発見に努める。
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[Journal Article] Implications of sphingosine kinase lexpression level for the cellular sphingolipid rheostat : relevance as a marker for daunorubicin sensitivity of leukemia cells2008
Author(s)
Sobue S, Nemoto S, Murakami M, Ito H, Kimura A, Gao S, Furuhata A, Takagi A, Kojima T, Nakamura M, Ito Y, Suzuki M, Banno Y, Nozawa Y, Murate T
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Journal Title
Int J Hematol 87
Pages: 266-275
Peer Reviewed
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[Journal Article] v-Src oncogene product increases sphingosine kinase 1 expressi on through mRNA stabilization : alteration of AU-rich element-binding proteins2008
Author(s)
Sobue S, Murakami M, Banno Y, Ito H, Kimura A, Gao S, Furuhata A, Takagi A, Kojima T, Suzuki M, Nozawa Y, Murate T
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Journal Title
Oncogene 27
Pages: 6023-6033
Peer Reviewed
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