2009 Fiscal Year Annual Research Report
がんの発生と悪性化に関わるゲノムインスタビリティー関連遺伝子の単離
Project/Area Number |
20590309
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 元 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 講師 (80236017)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村手 隆 名古屋大学, 医学部, 教授 (30239537)
|
Keywords | ゲノムインスタビリティー / 肺癌 / 細胞周期 / DNA複製 / DNA修復 / チェックポインイ / マイクロアレー / ヒストン修飾 |
Research Abstract |
癌が突然変異によって発生することが報告されて以来、数多くの癌関連遺伝子がヒト癌において同定されてきた。我々は、肺癌組織158例のMicroarray解析の結果を用いて、ゲノムインテグリティー関連遺伝子のmRNA発現プロファイルの検討を行った。その結果、本来癌で増加するはずのゲノムインテグリティー関連遺伝子の一つが、極めて生物学的悪性度の高い小細胞癌で特異的発現低下を示すことを見出した。そこでこの遺伝子のノックダウンを行い、表現型を調べたところ、DNA修復能の低下・細胞周期の遅延・染色体断裂の増加の3つの表現型を観察した。また、この遺伝子の過剰発現下でノックダウン実験を行い実験の特異性を調べたところ、全てについて相補を確認した。これに加えてこの遺伝子のノックダウンがゲノムインテグリティー低下の指標である微小核表現型を示すことを発見し報告した。以上の結果は今回発見した遺伝子産物が肺癌の発生に対して抑制的に働いていることを示すと同時に、今回の発見がさらに新たながんシグナル経路の発見に展開する可能性を示すものである。これら成果に加えて、新たながんシグナル経路の発見に努めるべく、この遺伝子産物とともに免疫沈降する遺伝子産物を解析した。MSにて解析したところ数種類の興味深いタンパク質を同定し、今後解析を行う予定である。さらに、この遺伝子産物をbaitに酵母2ハイブリッドスクリーニングを行っておりいずれかの方法によって来年度中の結合タンパク質の同定を目指している。
|
Research Products
(18 results)