2009 Fiscal Year Annual Research Report
APC活性化因子cdh1を介した細胞移動・浸潤制御の可能性に関する研究
Project/Area Number |
20590315
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
國仲 慎治 Keio University, 医学部, 助教 (10404336)
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Keywords | Cdh1 / APC / C / stress fiber / Rho / 接着班 |
Research Abstract |
タイムラプス顕微鏡観察で認められた、Cdh1欠失線維芽細胞の細胞移動遅延の原因を明らかにする目的で細胞骨格の変化の有無を検討してみた。Rhodaniine-phalloidinでF-actinを染色してみるとCdh1欠失線維芽細胞ではstress fiberの形成が低下していることが分かった。この結果が上皮細胞においても再現できるか否かを検討する目的で、HeLa細胞にCdh1 siRNAをトランスフェクションした後に上述の染色を行ったところ、線維芽細胞と同様にCdh1ノックダウンした細胞ではstress fiberの減少がみられた。さらにCdh1のC端を欠失させてdominant-negativeに機能することが知られるCdh1 N端断片をGFP蛋白と融合させて発現させたHeLa細胞を観察してみた。GFP陽性細胞は周囲の非導入細胞に比べて明らかに細胞体におけるstress fiber形成が低下する一方、細胞辺縁においてはアクチン繊維束が比較的保たれている像が多く認められた。また、このような細胞骨格の変化はCdh1欠失線維芽細胞やノックダウン細胞においても同様に認められた。さらに、これらの細胞を抗paxillin抗体を用いた細胞免疫染色で観察したところ、接着班の減少も顕著に見られた。次に、Cdh1欠失による細胞骨格変化のメカニズムを明らかにする目的で、stress fiber形成に重要な役割を果たすことが知られるRhoを中心に解析を進めた。Cdh1欠失細胞においてRho並びにRhoGDIの発現は対照細胞とほぼ同様であったものの、rhotekin(7-89)-GSTを用いたpull downアッセイでは活性型Rhoが有意に減少していることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)